「解体補助」とは?

今回は、私たちの現場で活躍する「解体補助」について、作業の目的や具体的な内容を記録としてご紹介いたします。
建物を解体する現場では、重機作業だけでは対応できない、繊細で多岐にわたる補助作業が発生します。
道具の準備から安全管理、廃材の運搬まで、解体補助は職人の手元を支える重要な存在です。
【解体補助の目的とは?】
解体補助には、以下のような目的があります。
作業効率の向上:手元で動きやすい環境を整え、職人の作業を円滑に進めることで、現場全体のスピードアップにつながります。
安全確保:足場が悪い場所でのサポートや周囲の監視、道具の管理などを通じて、事故やトラブルのリスクを軽減します。
技術継承・人材育成:未経験からでも始められるため、解体の基本を現場で学びながら、将来的なキャリア形成の基礎となります。
【具体的な作業内容】
1. 手作業での解体補助
バールやハンマーを使った壁・天井などの手元作業補助
石膏ボードや断熱材の丁寧な取り外し
足場の悪い場所での職人サポート
発生した廃材の仕分け、袋詰め、運搬補助
2. 解体工法に応じた補助作業
【手作業解体の場合】
解体工具(バール・のこぎり等)の準備・メンテナンス
部材の一時固定や安全確保
材料の採寸、マーキング補助
消耗品の補充・交換
【機械解体の場合】
重機オペレーターへの手信号・無線誘導
粉塵抑制のための散水作業
周辺の安全監視・立入禁止措置
機械への燃料補給、簡単なメンテナンス補助
【特殊解体(アスベスト等)】
負圧空間用ビニールシートの設置補助
保護具や集塵装置の準備・管理
作業後の洗浄・除染作業補助
粉塵計測器の設置や記録補助
3. 安全管理の補助業務
危険予知活動(TBM-KY)の進行補助
安全通路の確保・清掃
注意喚起の表示板・標識の設置
仮設設備の点検補助や非常時の対応準備
【使用する道具例】
【工具】ハンマー/バール
【電動工具】インパクトドライバー/コードリール
【保護具】防塵マスク/ヘルメット/安全靴/保護メガネ/手袋など
■ 注意点
釘やガラス片によるケガ防止のため、厚手の手袋を必ず着用
落下物対策として、ヘルメットは常時着用
粉塵が多い現場では、防塵マスク等で呼吸器保護を徹底
廃材の仕分け中も安全確認を怠らず、**「安全第一」**を合言葉に丁寧な作業を行います。
【求められるスキル・姿勢】
先を読む気配り: 職人の意図を察してサポートできる判断力
体力・持久力: 屋外作業や重い資材の運搬に耐える体力
安全意識: 常に危険を予測し、回避する注意力
コミュニケーション力: チームで協力し合う基本姿勢
【ステップアップの道】
解体補助は、未経験から始められる貴重な第一歩です。継続して働くことで、以下のような成長が期待されます。
工具の扱い・解体手順の理解
建物構造や工法に関する知識の習得
重機オペレーターや解体工への昇格
安全管理者、現場職長、監督などへのキャリアアップ
【おわりに】
「解体」と聞くと重機による大掛かりな作業を思い浮かべがちですが、その背景には解体補助の存在が不可欠です。
職人の作業を陰から支え、安全かつ効率的な現場運営を可能にしているのがこの仕事です。
今後も私たちは、現場全体の連携を大切にしながら、より良い作業環境の実現に向けて努力してまいります。
それでは本日もご安全に。
