「運搬作業」とは?

【目的】
資材・工具・廃材などを**「必要な場所へ」「必要なタイミングで」**運ぶことで、
現場全体の作業をスムーズかつ安全に進行させるのが主な役割!
【主な作業内容】
◆ 建材搬入(荷揚げ)
トラックから石膏ボード、鉄筋、設備機器などを搬入
重量物は複数人で声をかけ合って運ぶ
◆ 廃材搬出
分別済みの廃材やガラを集積場所へ運び、ダンプやコンテナに積み込み
◆ 現場内移動
小型機械・仮設材・工具などを作業場所に配布・再配置
◆ 玉掛け補助
クレーン作業時の合図・誘導・安全確認などを担当
【使用する運搬手段・道具】
手運び:狭所・短距離・繊細な資材向け
台車(平台車・L字・ボード用):平面での資材大量搬送に最適
一輪車:仮設足場など狭い通路もOK
パワーゲート付きトラック:荷台の昇降を自動で行える搬入特化車両
ユニック車:小型クレーン付き、荷揚げもOK
フォークリフト:パレット物や重量物に対応
クレーン(タワー・移動式):高層階や重量物の長距離垂直搬送
仮設エレベーター/ウインチ:高層・中層建物向けの昇降設備
【運搬作業の注意点】
経路確保:通路・足場の安全確認、養生の徹底
重量バランス:荷崩れ・転倒を防ぐ積載技術が命
資材保護:割れ物・精密機器は毛布やベニヤでカバー
連携と合図:2人以上で運ぶときは「せーの」で声かけ必須
接触防止:周囲に人がいないか常に意識
【建物階層別:ガラだし戦術】
低層(1~3階): 一輪車、台車、人力バケツリレー、仮設スロープ(傾斜10°以内)
中層(4~10階):仮設エレベーター、ゴミシュート、小型クレーン+バケット
高層(11階以上):タワークレーン+専用コンテナ、専用高速エレベーター
【廃材別・運び方テクニック】
◎ 重量物
破砕して運びやすいサイズに分割
台車の重心を意識して積載
腰を痛めない正しい持ち方(膝を曲げて荷を持ち上げる)
◎ 長尺物(板・パイプなど)
経路に合わせて切断
同サイズで束ねることで効率化
2人1組で前後の動きを合わせる
◎ 粉塵発生物
事前に湿潤化処理でホコリ飛散防止
防塵マスク・ゴーグルで自己防衛
◎ 危険物(鋭利なもの・ガラス片など)
養生シートやラップで飛散・接触防止
専用容器やケースで個別に隔離運搬
【効率と安全のための工夫】
発生量の事前見積もり → 搬出回数・車両手配を最適化
フロア単位での一時保管エリア → 作業動線を確保
養生管理 → 共用部・エレベーターの破損防止
時間管理 → 周辺への騒音配慮&作業ピークを避ける
【作業員の技能・資質】
体力・持久力:連続搬出にも耐えられるフィジカル
安全意識:転倒・落下・挟まれのリスク予知力
チームワーク:呼吸を合わせての搬送技術
現場判断力:資材の扱い方や運搬順序を即判断!
【資材のトレーサビリティ管理】
搬入管理表:日時・資材名・数量・保管場所の記録
バーコード管理:資材1点ごとに個別ラベル管理
保管位置図:現場図面上で資材の配置を視覚化
【まとめ】
運搬作業は、「運ぶだけ」ではありません。
段取り、手順、安全、資材保護といった、作業チームとの連携が大切な作業となります。
それでは本日もご安全に。
